いらっしゃいませ。
川崎、元住吉のBARハイドアウトマティーニです。
本日はブラジルのサトウキビの蒸留酒、『カシャッサ(カシャーサまたはピンガとも言います)』のご紹介です。
カシャーサは『カイピリーニャ』と言う、カシャーサ+刻んだライム1/2個程度+砂糖(シロップ)で作る定番カクテルに使用される蒸留酒です。
以下は『日本カシャッサ協会』のホームページとその他諸々を参考にしていきますが、サトウキビを使用した蒸留酒と言う事で『ラム酒』と近い部分がありますが、簡単に言うとラムが西インド諸島カリブ海周辺を原産とし廃糖蜜やサトウキビジュースを発酵させて作る蒸留酒であるのに対し、カシャーサはブラジルで生産されたサトウキビのジュースを発酵させ、アマゾンの原生林木などの特産木で作られる樽で熟成を経ると言う所で違うものとなっております。
中南米とブラジルでサトウキビを栽培するテロワール(地理、気候、土壌、農業技術などの土地の特性が作物に影響を与えるというワインなどに使用される用語)の違いであったり、ラム酒がブラジルに名が知られた時代からカシャーサが誕生するまでの間のスペインとポルトガルの交易対立から区別されていると言う説もあるそうです。
また原産地呼称制度(特定の地域と製法で作られるものに特定の名称を付与し保護する制度。スパークリングワインの中のシャンパーニュ。ブランデーの中のコニャック。メスカルの中のテキーラ(*現在はメスカルとテキーラは別個の原産地呼称)のようなもの。)でそうなっている訳ではなさそうですが、概ねそんな感じの要素もあるのかもしれません。
日本では『カシャーサ51』と言う銘柄が有名で若干の違う銘柄も出回りつつも概ねその一銘柄の独壇場でしたが、ここ最近のテキーラに於けるプレミアムテキーラや、ドライジンに於けるクラフトジンと言ったような、カシャーサの上級クラスのもので『カシャッサ・アルティサナウ(芸術的カシャーサ)』と言うカテゴリーが日本国内で流通が始まりました。
と言ってもアルティザンカシャーサはプレミアムやクラフト系ブームに乗じて作られたものではなく、元々現地では消費されていた様です。
既存のカシャーサ(インドゥストリアウ)が原料を機械で収穫、化学培養酵母で発酵、連続式蒸留器で蒸留と安定的に大量生産型で作られるものである事に対し、アルティサナウは原料は手刈りで収穫、米粉やトウモロコシから抽出した酵母を使用、単式蒸留器で作られるとの事。
今回仕入れましたカシャッサ・アルティサナウですが、写真右から
①ウエーバーハウス・シルバー
原料の栽培からビン詰めまで全工程を一貫管理する事で定評のあるウエーバーハウス家の熟成させないタイプ。
②ウエーバーハウス・ゴールド
アメリカンオーク樽で1年+カバリウバ(ブラジル産の森林樹)の樽で1年の合計2年熟成。
③ウエーバーハウス・アンブラーナ・オーガニック
アンブラーナ(ブラジル産の森林樹)の樽で1年。桜餅やココナッツの様な独特な風味。
④ウエーバーハウス・サンタマルタ・グラピア
同州傘下のサンタマルタ蒸留所のブランドを同社が製造販売。ブラジル原産の森林樹「グラピア」の樽で1年間熟成。
⑤ウエーバーハウス・プレミアムブラック
モルトウイスキーやコニャックを意識したプレミアムボトル。フレンチオークで2年、パルサム(ブラジル産の森林樹)で1年、合計3年熟成。
クラフトジンにしてもプレミアムテキーラにしても、上級クラスのものは大体ストレートやロックでもスムースに飲めるものですが、既存のラムカクテルのアレンジ、或いはブラジルではカシャッサベースのカクテルは『バチーダ』と呼ばれており果物と併せたりするとの事。
カシャーサをベースにした定番カクテルの『カイピリーニャ』、またはそれをショートカクテルでダイキリ風にアレンジしたり、季節のフレッシュフルーツに併せたり、ココナッツリキュールやクリーム系のものとも相性が良く、ピニャコラーダのアレンジなどもお勧めです。
The Bar Hideout Martini ~ザ・バー・ハイドアウト・マティーニ~
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