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いらっしゃいませ。
川崎、元住吉のBARハイドアウトマティーニです。
昨今『ソーバーキュリアス』と言う概念からノンアルコールカクテルを提案する店も増えている様です。
中にはノンアルコール・ウイスキーやノンアルコール・ジンと言うものもあってBARシーンも色々と変化している様です。
ただ最近では寿司屋で寿司を分解したりトンカツ屋でトンカツの衣を引っぺがしたりする人が居ると言う話を聞いたことがあります。
当店でも髪が薄い私を坊主の『一休さん』と掛けたシャレのつもりなのか分かりませんが、中には『蕎麦アレルギーだからザル蕎麦の蕎麦抜き』とか『バナナ嫌いだからバナナオレのバナナ抜き』とでも言わんばかりの『コント』や『とんち』レベルの要求を素の状態でしてくる方も居るようです。
あまりにも意味不明な需要を満たす為に知識と経験と近代技術を駆使すると言う話になってくるとそれはどうなのかと思いますが、かつてはアルコールを強要すると言う鬱陶しい風潮が根強かった時代に対して自身に見合った飲み方をする事自体は結構な事かと思います。
また反面で未だに『BARは2軒目以降に来るもの。何なら来てはいけないもの。』と頑なに妄信している人も多いようです。
アルコール許容量的に余裕があるなら何件目に来ようと構わないのですが、多分その理屈は日本経済が好調で金回りが良くアルコールに馴染みが深かったバブル時代の概念であって、円安、増税、値上がり、実質賃金低下の時代に於いて、しかもロクに酒が飲めないどころかアルコールをぶっ掛けたら殺菌されかねない勢いの現代人がバカ正直にそれを真似しようとするのはちょっと生意気ですし金と時間の無駄でしかないんじゃないかなとも思っています。
酒が強い事は誇りにはなりませんが、だからと言って自発的にオーダーした一杯のドリンクでぶっ倒れるのは流石にバーに来るゲストとしてどうかとも思います。
しかしながらそう言った手合いに対して『無理に2軒目以降に来なくても1軒目に利用したり、もう少しアルコール許容量に余裕を持つなど計画を工夫した方が良い』などの提案をした所で『でも、こういう店は酔った勢いじゃないと来れないので』など馬耳東風、馬の耳に念仏な次第で全く以て改める気配もありません。
ですので『もう色々飲んできちゃいました』とか『何でもいいから弱いやつで』とでも言おうものならデモもストも軽くもへったくれも無く、問答無用にノンアルコール。と言うか瓶ごとコーラを出します。
これは中途半端に弱くするために中途半端にアルコールを入れると中途半端な味にしかならず中途半端な人間を喜ばせたくてBARを営業している訳でもなく、だったら最初からアルコールを入れなければ良いし、そもそもBARに来なければ良いと言う理論です。
ちなみに一昔前のオーセンティックバーでは酔っ払い相手には無言で水を出すと言った事があったそうです。
これは京風に言うなら『ブブ漬け如何どす?』と言う事で、要するに今すぐ帰れ。扉に手を触れずに帰れ。敷居を跨がずに帰れ。と言う意味です。
当店では水も有料ですので、どうでも良い手合いには水より安いコーラを『オマエ如きがグラスに手を触れるな』『誰が座っていいと言った。立て。背筋が伸びる様にケツに突っ込んでやるから貴様の汚い尻をこちらへ向けろ!』と言う意味で瓶ごと出すと言った感じです。
ちなみに水が有料の理由は実際にコーラより価格の高い水を使用しているからと言う事もありますが、無料にすると比喩ではなく本当に水だけ1リットルも2リットルもおかわりする人が実際に居て、しかもそれが少数派ではないからです。
場合によっては有料と伝えると平気で『じゃあ水道水でいいです』とか言う人もいるくらいですので。
便所の水でも啜ってろと。
さもなきゃ帰れと言う話です。
バーテンダーをしておきながら個人的に『酔っぱらい』が大嫌いな訳ですが、ここ10年くらい(当店をオープンした辺り)から一見して普通そうな雰囲気でシラフの状態にもかかわらず支離滅裂な話をしたり想像を絶する事をしでかす人も多く、酔っ払い同様にウンザリします。
思うに大学卒業。あるいはそこそこの企業に就職する事が人生のゴールであり、その後は仕事に必須のもの以外の学習をすると言う概念が欠落している人。
多様性、ハラスメントの名のもとに過ちがあっても正そうとする行為そのものが悪とみなされ旧世代の人は臆病になり、その流れに合わせた大人たちは自分は時代の流れに合わせていると信じながら過が正に置き換わってしまっている事に気付く事が無い。
IQ100のウサギはIQ100に生まれたことに安堵し、走る事を止め、手足を使う事を止め、脳を動かす事を止め、AIに全てを丸投げ。
最終的に脳をAI装置と入れ替え下半身をホバークラフトに差し替え、ジオングの様なかつて生命体だった何かが蔓延り、人間の脳は培養液の中でその活動を傍観するファンタジーの様な未来が来たとしても私は何も驚きません。
現時点で昭和のギャグ漫画のネタみたいな事を平気でしでかす人がそそこら辺で普通に生活していて、それを多様性として容認されつつある訳なので。
当店で営業している際に限って言うならZ世代がどうこう。男女がどうこうは全く関係なく、アルコール提供のサービスをしている私が何故か思想哲学的な事を否が応にも考えさせられますが、そもそもそれなりのアイテムをそれなりの価格で出しているということは佇まいを見ればたわけでも分かりそうなハズですし、BARで何を飲むか分からないなら下調べするなりすれば良さそうなものなのに『もう既に酔っぱらってて飲めないんです』とか『ずっと前から来たいと思ってました。でも私何すればいいですか?』とか『分からないんで何でもいいです』とか言われると『ああそうですか。じゃあアイスミルクとかどうですか?他にも空気とかありますけど。』と言いたくなりますが、そういう事を言うと『優しい』だの『勉強になります』だの言われてしまい、結局こちらが言いようのない敗北感で満たされてしまうのです。
悪意を無邪気で返す。
このようにして私はいつも虐められているのです。
いや。ゲームとアニメ狂いの現代人に理解しやすい様に説明すべくRPG的に形容するならむしろ私が勝手にマリスの塊であって彼らは伝説の聖剣マリス・セイバーを携えた勇者軍団御一行様であるとでも言うなら、すなわち悪者である私がフルボッコにされるのは必然であり、とっとと元住吉から出ていき異世界転生でもすれば済む話なのかも知れませんが。
話戻すと続きは概ねこんな感じで
お前ら『すご~い!まるでアルコールが入ってないみたーい!』
私『·····』
お前ら『銀座で修行したんですかあ?』
私『やめろ』
お前ら『すご~い!じゃあ銀座味のアイスミルク(または銀座の美味しい空気)を今私は飲んでるんですね!』
私『やめてくれ』
お前ら『このアイスミルクは何処で仕入れるんですかー!?銀座ですかあ?』
私『もういいだろう』
お前ら『大人の階段登っちゃったあ』
そこでこちらがヒステリックにブチ切れようものなら『何か辛い事でもあったんですか?』と気遣われてしまう始末。
無意識に人を傷付け、ぬけぬけと掛ける気遣い。
貴方たちが私に対してしている行為は『ワタシを幸せにしてねー!』とばかりに後ろからの不意打ちラリアットでのび太を気絶させた上で『のび太さん動かなくなっちゃったー!ヤダあ!お~い!もしもーし!!』とストンピングを繰り返すジャイ子の如し。
ときどき提供するアイテムは放置し雰囲気が良いからと夜の営みを始めようとする更なる強者も現れますが、これは『おお!愛しの我が妹よ!涙を流しているのは何故だ!?おのれ~!のび太のクセに生意気だ!ギッタンギッタンにしてやる!』とばかりにジャイアンが加わようなもので、さながらアウトレイジの世界となります。
形変わってしまうぞ。
次回は握りっ屁を用意し『さあ召し上がれ。ワシの屁です。』とか言えば流石に嫌味だと気付いてくれるのかどうなのか。
···
ダメだ・・・。
『硫化水素と温もりが私の中を駆け巡る・・・今。硫化水素とワタシが同じ体温で一つになる。そう。これはまさしく!温泉地に来たみたーい!何を食べたらこんな高潔なオナラが出るんですかー?いつも銀座でお食事されるんですかー?硫化水素の革命やー!!』
と華麗に切り返されるであろう未来が容易に予測できてしまう。
いや。そもそも予測不能だから恐ろしいのか。
さて。
考えれば考えるほどに。店を開ければ開けただけ私が本来思うバーの方向性が破壊されていくようで震えますが、とは言え5万人分に7〜9人くらいの確率でBAR的に真人間もいらっしゃり、そう言った場合にはそれなりのノンアルコールカクテルと言うのもあります。
そんな訳で『桜のインコラプティブル・シャンパン』です。
フレッシュグレープフルーツ
フレッシュオレンジ
フレッシュレモン
桜コンセントレ
プレーンソーダ
余談ですが、何度かブログでも記述していますし営業でも聞かれれば話してますが『私は銀座出身でもホテル出身でもありません』
何処の出身で誰に師事して仮に何らかの大会経験や保有資格があったとして、それを客寄せに出すつもりもありません。
理由はうわべだけでモノを語り真実に目を向けない人を無理に相手にしても私の性分上と言うのもありますが、オーセンティックバーとしてサービスをする中で何らかの形で亀裂が走るのは明確であり時間の無駄だからです。
The Bar Hideout Martini ~ザ・バー・ハイドアウト・マティーニ~
〒211-0025 神奈川県川崎市中原区木月3-8-17 TS店舗2F
東急東横線 元住吉駅西口より徒歩5分
TEL:044-820-6956
※営業中はお電話に出る事が出来ない場合がございます。
※少人数向けに特化したBARとなっております。大人数(5人以上)でのご来店は平常時のサービスが出来兼ねますのでお控えください。
定休日:月曜日
公式ホームページ:http://hideout-martini.com/k