いらっしゃいませ。川崎は元住吉のスピークイージー、『ザ・バー・ハイドアウトマティーニ』からジンの説明です。
マティーニやジントニックをはじめとするカクテルベースの定番として有名な『ロンドン・ドライ・ジン』。
ここで、『ロンドン・ドライ・ジン』と言うだけに、ジンの発祥や生産国がイギリスのロンドンだと思われる方も多いかと思います。
しかし主産地としてイギリスが多いものの、原産地呼称で統制されている訳ではなく、定義も一言で言うと『穀物など(*穀物以外でも良い)を原料とし、ジュニパーベリーの香りがついたスピリッツ』と言うだけなので、実は色々な国で様々な製法で作られており、現在は既存の大量生産型の『ドライ・ジン』から、小規模生産的に、国や地域ごとの特徴的なボタニカルを使用した『クラフト・ジン』が注目され始めています。
ジンについてはあまり体系的に説明がなされる事は少なく、11世紀にイタリアの修道士がジュニパーベリーを主体としたスピリッツを作っていた説などもありますが、現在も製品として残っているジンの種類について、説明をしてみようと思います。
⓵ジュネヴァ
17世紀にオランダで利尿薬用酒として作られ、それが嗜好品としても受け入れられたもの。ジンの原型。『オランダ・ジン』『ホランド・ジン』とも呼ばれています。大麦麦芽を主原料とした穀物などを糖化発酵し、ジュニパーベリーなどを漬け込み、単式蒸留。
2007年にAOCを獲得し、生産地や製法について統制されています。
ウォッカとウイスキーの中間的な特徴を持つスピリッツと形容される事もあり、重厚でまろやかな味わい。
⓶シュタイン・ヘーガー
ドイツで造られるジンの一種。ドイツ西部のシュタインハーゲンという町が、この酒の特産地であったことが名前の由来。
製法は、生のジュニパーベリーを醗酵、蒸溜したスピリッツと、トウモロコシと大麦麦芽を原料に醗酵、蒸溜したスピリッツを造り、この2つをブレンドし、再蒸溜したもの。
ジュネヴァとドライジンの中間的な味わいで、重厚すぎずスッキリしすぎない控えめな風味。
⓷オールド・トム・ジン
18世紀、イングランドで人気を博したジン。当時、ロンドンなどの大都市にスラム街が形成され、価格が安く度数が高いジンは低所得者の間に広まり、『ジン=労働者の酒』『ジン=不道徳の酒』と言ったマイナスイメージが盛んだった時代、イギリス政府はジンの流通をくい止めようと、ジンの製造に高い課税と厳しい免許制度を課したものの、結局アメリカの禁酒法の様に、飲酒シーンの地下化、ジンの密造を引き起こすこととなりました。
『オールド・トム・ジン』は当時、雑味の多かったジンに2%程度の糖分を加えた甘口のジンで、名前の由来は、一部のパブが公共の歩道の頭上に掲げていた、黒猫(「Old Tom」)に似た形の木製の看板に由来するものと言う説。その内容は、猫の前足の看板の下には金銭を中に入れる隙間と鉛管が設けられており、この管からパブの中にいるバーテンダーが注いだ、1ショットのジンが流れてくるようになっていたと言うもの。
19世紀以降、蒸留技術の進歩の過程で雑味の無い辛口なドライジンが主流になって以降はあまり使われなくなりましたが、現在ではカクテル『トム・コリンズ』のベースとして使うほか、クラシックカクテルの復刻として使用されるケースもあります。
⓸ドライ・ジン
19世紀半ば、蒸留技術の発達により飛躍的に雑味が無く度数の高いスピリッツを蒸留できるようになって以降、現在まで主流となっているジン。『ロンドン・ドライ・ジン』、『イングリッシュ・ジン』などとも呼ばれます。
ロンドンが主産地ではあるものの、原産地統制はされていないので、様々な国で作られています。
ちなみに最近ブームになりだしている『クラフト・ジン』については明確な定義は無く、簡単に言うと『少量生産的に造られたこだわりとオリジナリティの強いジン』と言えます。
クラシックなドライジンらしいジンと言うとジュニパーベリーに風味が強いものが主流でしたが、クラフトジンではジュニパーベリー以外の地域特性の強いボタニカルを前面に押し出しているケースが多いようで、特にクラフト・ジンにプレミアム・トニック・ウォーターを組み合わせた『ジン・トニック』は、薫りが籠るワイングラスの様なバルーン型のもので提供したり、ライムの代わりにオレンジスライスとクローブを加える等、スペインやイタリアを先駆けに世界的なブームになっています。
ブームだからどうと言う訳ではありませんが、ジンも多様であり、楽しみ方が増えるのは喜ばしい事と思いますので、興味を持った方は是非お試しください。
The Bar Hideout Martini ~ザ・バー・ハイドアウト・マティーニ~
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